新生活にはうってつけのバナナ
気分がどうのこうのと言って、なんになりますか。
ぐずぐずしている人間に気分なんかわきゃしません。
ーゲーテ
2年くらいの前のお昼休みに、爽快な気分を味わった。
いつも眠たいか、何かがよどんでいるか、次を待っているかしている意識に
正月の朝に履き替えたパンツのような風が吹き込んできたのだ。
「バナナ」と「緑茶」だ!と結論が出た。
いつもと違うことといえば、それしかなかった。
トリプトファンとカテキンがどうのこうので、きっといい効果が出たのだ。
それからしばらく僕はバナナと緑茶の朝を過ごすようになった。
さらにそれからしばらくして、バナナと緑茶に代わるものを探し求めるようになった。
なにせ「爽快な気分」はあのお昼休みたった一回だけのことだったからだ。
新生活とバナナには似たところがある。
「すべて」を、どの程度・・どんな形で
どんな意味合いを持つ「すべて」かわからないが、
とにかく変えてくれる期待の先なのだ。
僕はバナナを探すことをやめて、気分を狙い撃ちすることもやめて
自分が何をしたいのか?わくわくするのか?
何かを待っていないか?に目を向けるようにした。
新生活をつくるのは季節の節目やカレンダーではなく、僕たちの
(未完)